モルガン・スタンレーの欧州テーマ別リサーチ責任者が、健康長寿を実現するためのテクノロジーを紹介します。老化は、社会課題において解決が難しいとされる中、現在注目されている「ロングショット」に関する市場について考察します。
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市場の風を読む」Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
今回は、モルガン・スタンレーの欧州テーマ別リサーチ責任者エド・スタンレーが、本日は人間の健康長寿に貢献する可能性を秘めたテクノロジーの未来将来について考察していきます。、モルガン・スタンレーの欧州テーマ別リサーチ責任者エド・スタンレーがお話します。今回このエピソードは2024年4月26日金曜日にロンドンで収録された録音したものです。このエピソードを英語でお聞きになりたい方は概要欄に記載しているURL場合には下のリンクをクリックしてください。
以前、私はこのポッドキャストで「ムーンショット」と「アースショット」について紹介しました。
お話しました。ムーンショットとは、実現可能性は低いものの、達成すれば社会に大きなインパクトを与える野心的なソリューションのことです。ムーンショットを実現するテクノロジーの主役は、ソフトウェアであることが多いです。大いなる変革を引き起こすテクノロジーを使い、克服不能とも思える課題を解決する野心的なソリューションであり、その中心はソフトウェアになります。実現可能性は低いものの、達成すれば社会に大きなインパクトを与える壮大な計画や挑戦のことを指します。
一方で、これに対して、アースショットは地球環境の課題にフォーカスします。焦点をあて、脱炭素化やを加速させ、気候変動に取り組む地球温暖化に歯止めをかけるための、ハードウェア中心の革新的なテクノロジーが次々と生まれています。
今回、私が取り上げる第3のソリューションは「ロングショット」と呼ばれています。モルガン・スタンレーは現在、脱炭素化、テクノロジーの普及、そして健康長寿という3つのテーマを重視しています。「ロングショット」はテクノロジーの普及と健康長寿に関わり、長期的に注目される分野だと確信しています。
ムーンショットやハードウェア・ベースのアースショットと比べて異なり、ロングショットはあらゆる社会課題問題の中でも、の中でも特に特に取り組むのが難しい課題と向き合うものです。
第1に、「老化」は未解明なことが多く、私たちは十分な知識を持ち合わせていません。プロセスに関して、私たちは驚くほどわずかな知識しか持ち合わせていません。第2に、健康長寿の課題はハードウェア、ソフトウェアそれぞれに関わります。一方のテクノロジーだけ進歩すれば良いわけではないのです。こうした問題はハードウェアの問題でもあり、ソフトウェアの問題でもあります。第3に、規制面の課題が挙げられます。人間の「命」に関わる領域なので、新たに登場する他のほとんどのテクノロジー分野と比較すると、ヘルスケア分野におけるテクノロジーの参入障壁は非常に高いのですに対する規制面のハードルははるかに高いものになっています。
弊社は、我々は健康長寿について正しく関する理解することを深めることがロングショットの成否成功を左右すると考えています。
遺伝学には表現型と遺伝子型の2種類があります。大雑把に言うと、「個人人の表現型が、その人が持つその人の遺伝子型を凌駕できるか」よりも優勢となり得るかという問題について考えることです。つまりあり、言い換えると、その人の生活習慣ライフスタイル、様々な意思決定選択、環境などのの影響が、はDNAに刻まれた遺伝情報よりも大きな影響を及ぼすことができるかどうか子に勝ることができるかのかについて考えるということです。
現代社会において、の医薬品は、疾病「予防」よりも、ほぼ「治療」にフォーカスされてきました。効果だけに着目することにより、健康かどうかは着目されず、人間の寿命がを延びても不健康なだけというケースがほとんどでした。もる一方で、ばすことに貢献してきましたが、同時に不健康な期間も延伸しています。疾病「予防」を重視することで、健康寿命を延ばしつつ疾病率もは健康寿命を延ばし、疾病率を低下することができ、さらにはさせるものであり、医療コストのを低下にもつながります。させるものでもあります。
私たちは、100歳以上の人々から何かを学ぶことはあるのでしょうか。100歳以上の人々は、人口10万人あたり30人程度であり、その多くは80代に入っても、健康的な生活を続けていました。
100歳以上の人々は、こうした人々が他の人々と大きく異なるのは、医療関係者が「最後に現われる四騎士」と呼ぶ冠動脈疾患、糖尿病、ガン、アルツハイマー型認知症などから上手くの回避しているという傾向があります。
という点で統計的に優れていることです。これらを踏まえて、それでは、ロングショットにより、健康長寿をより多くの人々に広げることができるのでしょうか。
弊社我々は、テクノロジーを通じて、こうした慢性疾患の発病を10年から30年遅らせ、すべての人が健康長寿を享受できるようになると考えています。可能性をもたらすテクノロジーに注目しています。理論上は不可能ではない目標ですが、現実的には、的に言うと、これは途方もないゴールではないものの、現実的には、医療研究における対する新たなアプローチが必要になります。
では、弊社が注目している我々は主なロングショットとして特定した10種類のロングショットについて紹介してまいります。
< 別案 >
10種類のロングショットとは、
・糖尿病治療薬
・次世代化学療法
・AIを活用した創薬
・体外受精による受胎確率の向上
・3Dバイオプリンティングによる臓器生成
・人間の脳とコンピューターを繋ぐブレイン・コンピュータ・インターフェース
・CRISPRによる遺伝子編集
・DNA合成
・ロボット工学
・サイケデリック薬
当社我々は、こうした10種類のロングショットに関するの成熟度と投資可能性を評価した上で、糖尿病肥満症治療薬と次世代化学療法抗体薬物複合体治療、AIを活用した創薬のみっつにが特に需要が高く市場の理解度が高く、投資する価値が可能性も高いと判断しています。
それ以外のロングショットの多くは、投資対効果の成果とコストの点で大幅な改善が進んでいるものの、投資対象としてはややリスクが高いと依然として初期段階にあり、特に上場市場の投資家にとっては投機性が高いものと考えています。
ムーンショットやアースショットは、アーリーステージ投資資金の大半をベンチャー投資家が担ってきました。一方でロングショットは、占めるムーンショットやアースショットと異なり、ロングショットはアーリーステージのヘルスケア・プロジェクトに投資する政府機関の割合が高いのが特徴です。大幅に高くなっています。
政府が投資する目的はふたつです。ひとつは、全体的な医療支出を削減するため。もうひとつは、のソリューションを求めるか、少なくとも投資に対する良好なリターンを得るため。実際に世界各地でことを狙い、数々のロングショットに投資が行われておりしており、2023年の投資額は米国で4.5兆ドル、全世界では10兆ドルに上ります。
課題はありますが、AI技術が急速に進歩しているため、ロングショットに関する市場機会も大きく広がっています。私たちは引き続き、ポッドキャストを通じて最新の情報をお届けしてまいりますきわめて大きな賭けであることは明らかですが、特にロングショットと足並みを揃え、AIテクノロジーも進歩しているため、市場機会は大きく広がっています。それゆえ、こうしたロングショットの展望については今後も最新の情報の提供を続けて参ります。
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