モルガン・スタンレーが配信する金融ポッドキャスト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)では、マーケットに影響を与える様々な事象について当社のソートリーダーによる考察をお届けします。
モルガン・スタンレーの債券・テーマ別リサーチ担当グローバルヘッドが、グローバル金融市場における今後の展望について考察します。
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市場の風を読む Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
今回は、モルガン・スタンレーの債券・テーマ別リサーチ担当グローバルヘッドであるMichael Zezas(マイケル・ジーザス)が、グローバル金融市場における今後の展望について考察していきます。
このエピソードは2024年5月21日火曜日に東京で収録されたものです。
弊社では、100名を超えるストラテジストとエコノミストのチームが年に2回集まり、1年先の展望を議論しています。主要な経済指標とトレンドを評価し、世界の金融市場にどのような影響を与えるか予測しています。
今週始めに、クロスアセット・ストラテジストのセリーナ・タンとチーフエコノミストのセス・カーペンターが、最新の将来予測について説明しました。いくつかポイントをかいつまんでご紹介いたします。
直近の1年間において、ほとんどの大半の金融市場は、今後12ヵ月間、きわめて好調に推移するでしょう。ことが予想されます。予測されています。弊社のエコノミストによると、経済は安定的に成長し、同時にインフレも落ち着いていく見込みです。持続的な成長が期待され、インフレは鎮静化するとの見通しを示しています。
不確定要素によって予測が変動する可能性もありますが、多少の遅れはあるものの、こうした見通しには多くのノイズが生じる可能性がありますが、経済データにおける通常のノイズと合致し、弊社が当初に予測したタイミングより遅れてはいるものの、主要中央銀行が政策金利の引き下げに踏み切ると考えられます。の利下げに対する投資家の期待を高めるような明確な兆候が続くと考えています。 先週発表された消費者物価指数は、先日まで投資家が懸念していたインフレの再加速が起きていないものを裏付けるものでした。
この景況は、弊社ではこの景況が債券のパフォーマンスにとって好ましい良好な環境といえるでしょうになると考えています。
例えば、米国では、FRB(Federal Reserve:連邦準備制度理事会)が現在の景気サイクルでの利上げを完了させる公算が高く、このサイクルで金利を引き上げるため総利回りがプラスに傾くことが示唆されています。ポジティブに推移することが明らかになっています。一方、企業業績は堅調な改善傾向がみられます。のファンダメンタルズはおおむね改善に向かっており、弊社はコーポレートクレジット(企業債)をはじめとするやその他の種類のクレジット商品もがアウトパーフォームする可能性があると浮上するとみています。
ただし、留意しなければならないのは、今回の予測には通常よりも大きな不確実性の高い要素がある点です。弊社のストラテジストは、こうした予測において、通常よりも高い不透明リスクが存在することも警告しています。特に直近の1年間においては、、今後12ヵ月間、金融市場に重大きな影響を及ぼしかねないイベントが控えており、市場は常に様々なシナリオを織り込んだ上で価格を形成しています。重要かつ予測困難な事象があり、さまざまなシナリオにおいて、いつなんどき相場の変動を引き起こすかわかりません。米アメリカ大統領選挙選や進行中の2つの戦争など、不確定要素が多く存在しているのです。の不透明材料のみならず、これらの影響から生じる膨大な数の不透明要因が存在するのです。
例えば、半年後に迫ったアメリカ大統領選挙は、不確実性をもたらす好例といえるでしょう。選挙結果は、インフレや経済成長、中央銀行の政策運営、ひいては金利水準とクレジット市場のリスクプレミアムに大きな影響をもたらし得るのです。米大統領選が良い例です。選挙まで半年を切りましたが、このポッドキャストで視聴している皆さんならば、この大統領選がインフレ、経済成長、中央銀行の措置などの見通しにおいて、ひいてはクレジット市場の金利やリスクプレミアムの見通しにおいて、重大な不透明要因を生じさせる可能性があることがおわかりでしょう。
今回のエピソードでご紹介した不確定要素の影響を受けにくいのが、日本の株式市場です。日本のマーケットは、政治面の安定性や日本銀行の金融政策正常化、海外投資を促す様々なプラスの要因が重なり、これらの長期的なトレンドから恩恵を受け続けると見られています。このように、不確実性が低い株式市場を重視することも選択肢のひとつになります。従って、こうした不透明要因からは影響を受けにくい、比較的長期的な投資機会が存在する市場に焦点を当てることが重要になります。日本の株式がこの良い例です。日本市場は今後も、政府の改革、中央銀行の金融政策正常化、米国経済政策に合致するさまざまな地域への外国投資を推進する多極的世界への移行などの長期的トレンドから引き続き恩恵を受けると思われます。
一方で、弊社はこれまで通り、市場の動き動向やニュースの流れを追いながら、必要に応じて将来予測を修正・調整してまいります。注意深く監視し続け、弊社の戦略的見通しから逸脱していく要因を見つけ次第、必要に応じて修正・調整を行っていきます。状況が変化した場合には、見通しやアプローチを変える必要があるかを適宜判断し、皆さんに引き続き、市場の最新状況をお届けいたします。事実に変化が生じれば、その都度、弊社の見解やアプローチを変えるべきかどうかを検討します。視聴者の皆さんにはこちらで引き続き最新情報をお伝えしてまいります。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。